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2009.12.22 *Tue

●○ 涙のあとには 1 ○●


12月の誕生石…ターコイズ
・石の持つ力…「邪悪なもの、危険から身を守る」
・登場人物…風早・爽子(あやね・千鶴・その他…)
・時系列…想いが届いてからの冬





+ 涙のあとには


******************************






「ねぇ…やっぱあれ、本当だったね」

「うん…すごいショック…好きだったのに…」

「カナちゃん、風早のこと好きだったもんねー」

「ぅぅ~~~~」





「なんか、風早が“ベタ惚れ”宣言したんだって!」

「あの貞子だよ!しんじらんない!」

「…貞子ってさぁ、ホントはどんなヤツなの」

「ウワサが先行してる感じだよね~~」

「よくわからんっつか。てゆか、皆知らないでしょ!」

「相変わらず矢野と吉田ともフツーに仲いいしね…」








私が今まで流してきた涙。

これから流す涙。



私が風早くんとお付き合いをすることになって、

誰かがどこかで流す涙。



何が違うの?

どこが違うんだろう。

風早くんへの想いは、きっと同じなのに。

私のこれからの涙はきっと…嬉し涙で。

彼女たちの涙は、悔し涙なの?

なんだか…いいのかな。

このことを考えると、いつも言いようのない悲しみが襲う。





---






「くーろぬまっっ」



「わ…わぁっ、び、びっくりしたー!」




良く晴れた放課後。
私は日課である花壇の世話に精を出してから「ちょーどいいとこに!」と呼び止められて荒井先生の雑用を手伝い、夕暮れが迫り影を落とす教室へと戻ったところだった。SHRが終わってからここへ来るまでに、だいぶ時間がたっている。



「ははっ、黒沼は不意打ちに弱いな!」



いつものように、私にとってはこれ以上ないくらいまぶしい笑顔で、風早くんが言った。



「黒沼と一緒に帰ろうと思って…待ってたんだ」



なんか、俺前にもこんなことしたなー、と少しはにかんで、風早くんがつぶやく。なんだか、そのひとつひとつが…か、かわいらしく思えてしまって…風早くんから目が離せなくなる。こんなこといったら、怒るかな…。かわいいなんて言われて喜ぶ男の人、いないよね!


「黒沼?…くーろぬまってば!」



私は何度か呼ばれていたようで、返事をしない私を覗き込むように、近づいてきた風早くんが首をかしげる。あわわわわ…し、至近距離!



「あ、、、っ、は・はいっ!ご、ごめんなさい!」




急に意識してしまって、両の頬を思わず手で抑える。わぁ~、私、きっと今ヒドイ顔してる!




「どーしたの?…あ、なんか用事あった?」




「い、いえ!そうではなくて…」




「ん?」




なぁに?という顔で私を見てる…うぅ…い、言ってしまっていいのかな…




「か…風早くんが、かわいらしく見えてしまって…だ、大好きだなぁって…」




「えっ」




きっと思いもよらなかった私の告白で、風早くんも見る間に顔を赤くしてしまった。あぁ~、わ、悪いことをしてしまった…!赤く染まった顔を隠すように腕をあげて、じっと私を見てる。あ…。わたし、この仕草の風早くん、好きだな…。…なんて、またそんなことを考えていたら、風早くんがぷぅっと顔を膨らませた。




「なんだよ~、バカにしてんのっ」




「えっ、えっ、あ、ちが…っ、そうではなくて!あの…!」




あわてて首と両手をぶんぶん振る私に、堪えられなくなったかのように風早くんが吹き出した。




「あははっ、嘘!じょーだんだよ!ちょっと意地悪した!」




ほーっと胸を撫で下ろす私をみて、風早くんはなんだか満足そうな顔をしてる。




「かわいくて、すきなの?」




「あ…。えっと、風早くんは、とてもかっこいいのだけど…さっきみたいな…そ…そんなところも、す、好きです…」




「うん!知ってる!俺も黒沼、大好きだよ!」




「うん…!う、嬉しい、すごく…!」




「じゃ、帰ろっ」




私があわてて自分の学生鞄を持ち振り返ると、風早くんが手を差し出していた。




「あ…あの、風早くん…これは…っ!?」




「え?彼氏と彼女が一緒に帰るって言ったら、コレでしょ!」




風早くんは笑顔で私に手を差し出す。




「え…っ、えっ」




「ほら、黒沼!手!」




「あ、はいっ…!…で、ではっ」




差し出した右手が、風早くんの右手に重なった。




「…くろぬまー。これじゃ、歩けないじゃん!違うでしょ!」




思わず握手をする格好になった私の手を優しくほどいて、風早くんは私の左手を取る。




「はい!…こうだよ!」




「…っ、な、なんか恥ずかしいなぁ~!」



「俺だって!」



一緒だよ!と、風早くんは照れ笑いをしてる。なんか…すごく、すごーく幸せだな…




「男の人と手を繋ぐなんて…それで、一緒に帰るなんて初めてだよ…」




「俺も、好きな子と手を繋いで帰るなんて、初めて!」




私は隣にいる風早くんを見上げた。風早くんも私を見てる…自然に、微笑み合った。






すぐ届くところに、風早くんがいる。

手を伸ばせば届くし、見上げれば、大好きな笑顔がそこにある。少し前までのあの苦しくてつらかった日々が、嘘みたいに…思い出は、儚く散る。




仲睦まじく笑いあいながら、

時折視線を絡ませながら。

手を取り合って学校を去る2人の姿を、少し離れているところから見ている女生徒たちが居た。




「ねぇ…ほんと、風早、ニコニコしてるね」




「そんなに好きなのかな…」




「…ちょっと、確かめてみる…?」






---





後日。

昼休みに集めた宿題のノートを資料室に届けた帰りに、爽子は数人の女生徒たちに呼び止められた。




「貞子、ちょっといいかな?」




資料室付近は、教室から離れているせいか人もまばらで緊迫したその様子に気付く者も居ない。




(あ…隣のクラスの人たち、だな!)




体育の授業で見たことあるよね…などと考えていると、その中の一人が爽子に詰め寄った。




「ねぇ、あんた、本当に風早と付き合ってんの?」




「え…っ、えぇっ!?」




あまりに唐突な質問に爽子は驚きを隠せなかった。そういえば、風早は打ち上げでも、その後学校内でも、爽子が彼女で、自分が爽子を好きなのだと話していたから。他クラスの女子が知っていてもなんら不思議ではなかった。




「あ…あの…」




「ホントに付き合ってんのかってきーてんだよ!」




女生徒たちは爽子をじりじりと後ずさらせてしまうくらいの勢いで詰め寄った。廊下には午後の授業が始まる合図のチャイムが鳴り響くが、爽子は動ける雰囲気ではないことを感じ取っていた。





(きっと…この人たちも、風早くんが好きだったんだ)




トイレで女の子のすすり泣く声を聞いたときに感じた、あの気持ちが膨れ上がる。あの時も、いろんな人の気持ちの上に自分が立っているのだと感じた。この子達と私…違いなんてないはずなのに。




(でも、風早くんは、私を見つけてくれて…)




色々なことを教えてくれて。知らなかった気持ちを、教えてくれて…好きだ、と言ってくれて。




(…信じられないのは、私のほう…)




でも。

風早くんのことを。

彼が言うことを。

私が信じられないでどうするの?

誰が、風早くんを信じるの?

誰が信じなくても、信じられなくても、

私だけは、信じなくちゃ…




意を決したように、爽子はうつむいていた顔を上げ、前を見据えて口を開いた。




「わ…わたしは…」












→続く













****************************








ここまできて続く!




思いがけず放課後シーンが長くなってしまいました…!トモの空想では、最初のおててつなぎはあんな感じ…ウブな爽子には、焦れ太の意図は伝わりません(笑)。ちょっとかわいく年相応っぽい風早くんを書きたかったけどなんだかいつもどおりのただの風早くんでした…





あとちょっとだけ?続きます。








芦屋トモ

2009.12.21









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